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金融危機の影響も限定的
米下院における金融安定化法案否決によって株式市場は急落、為替市場でも米国に対する信任、ドルに対する信任が後退したことでドルを売り込む動きが強まったが、ドル円は103.50を下回ることが出来ず、週末には予想を大幅に下回る米雇用統計の結果にも105円台を中心とした推移と米ドルの底堅さが目立ち始めている。
米国を取り巻く環境は景気後退、金融不安など油断のならない状態が続いているものの、為替市場では米国への悲観的な見方が既に相当織り込まれたものと思われ、米国発のリスクマネーが本国への回帰を見せ始めているように見える。ドルの相対的な価値を表すドルインデックスはリーマンブラザース破綻によって急落を見せたが、その後は順調に回復しており9/11の高値を上抜いており、今後更に上昇傾向を高めるものと思われる。
サブプライムローン問題発覚後はインフレ懸念による利上げ期待感もあり、ユーロを買い進む動きが強まっており、基軸通貨としてのドルの地位低下が目立っていた。しかし7月以降、米住宅金融公社、米大手証券会社、米地方金融機関と相次ぐ破綻となる中で一旦は米ドルが売り込まれるものの、中期的には意外にドルが底堅い値動きを見せている。米国を発端とする金融危機は市場に相当織り込まれた面と市場でリスクマネーと言われる高リスク商品への投資マネーが市場から引き上げており、この流れがドルを買い戻す動きにつながっていると思われる。いわば、ファンダメンタルと乖離した投機的なのりしろを埋めに行く動きと思われる。
7月には1.6040の史上最高値を更新したユーロドルも先週には1.37台までの下落となっており、1年近く掛けて上昇した値幅を2ヶ月で埋めてしまう荒っぽい値動きと言える。投機筋のポジションは既にニュートラルに近づいていると思われるが、相場にはオーバーシュートが付き物であり、今しばらくユーロ売りの相場展開が続く可能性があると思われる。2000年 10月にユーロの最安値0.8228を付け、その後順調に買い進まれてきたユーロであり、最安値0.8228と最高値1.6040の上昇幅に38.2%戻しのポイントである1.3050近辺が年末に向けてのユーロドル戻りの目処となるのではないか。
一方でドル円は週足一目均衡表で雲に入り込んでおり、当面103-110の幅広いレンジ取引に終始する可能性が高まっていると言える。年後半に向けてはドルの買い戻しが入りやすい状況といえるものの、長期的な円売りポジションも多いと思われ、戻りでの円買い戻し(ドル売り)も強く一進一退の相場展開を予想する。
今後、各国金融機関は今回の信用不安により その資産内容が急速に痛んでいることもあって、積極的なリスクを取るとは思えない。また、米大統領選挙の市場への影響も不透明であり、年末にかけて基本的にはポジション調整的な値動きが強まるものと思える。その意味ではユーロドルのみならず、豪ドル、スイス、ポンドなどに対して売り込まれていたドルを買い戻す動きが更に強まるのではないか。スイス、ポンド、豪ドルなどの通貨はユーロ買いにつられて買い進まれていた通貨と思われ、本格的な下落が開始すると値幅と伴った下落につながる可能性が高いと思われる。年後半に向けてドルスイス、ポンドドル、豪ドルドルなどの通貨でのドル売りも検討してみたいところだ。
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利下げモード突入
米政府から金融安定化策が示された後、議会との対立から法案成立が危惧され、先週は欧州通貨が対ドルで反発する動きを見せた。しかしながら、独Ifo景況指数などの低下により、ユーロ圏経済の景気後退が改めて認識され、先週の戻り局面では欧州通貨の上値の重さを確認した格好となってしまった。ECBによる利下げの可能性も要人から発せられており、今後も欧州通貨の重石となって上値を抑制する要因となってくる。
米金融安定化策に関しては、今週一定の見通しが立つ予定だが、財政赤字拡大によるマイナスのイメージは、強く、金融再編が継続することからニュートラルな立場から、改めて米ドルを買っていくには困難な状況にある。このような金融の信用不安から、FRBは各国中銀と連携し、資金を大量に供給、マーケットの鎮静化に努めた。期末を控え、企業の資金需要が高まっている中で、市場金利が高騰し、一時的にパニック状態に陥ったためである。
当局の一時的な対応として、マーケットはもう一つのオプションの可能性を先週末に織り込み始めた。金融安定化策の不透明化によって、金融機関は資金調達が困難となり、破綻する可能性があるとして、10/28-29のFOMC前に緊急利下げするとの見方が広がった。
住宅市場対策の遅れ、失業率増加の懸念が高まっている中で、既に10月の25bp利下げは100%織り込んでいる。マーケットが主要国の利下げを織り込み始めたことで、次のステージは何が材料視されることになるか、注視する必要があるだろう。
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